Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

肝切除患者における血清アンモニアに対する大建中湯の効果

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

【背景/目的】肝切除された患者に長期間続く麻痺性イレウスは、残存肝機能を傷つけ、時には切除後の肝不全を引き起こす、高アンモニア血症またはバクテリアルトランスロケーションを誘発し得る。肝切除患者の術後血清アンモニア濃度に及ぼす大建中湯の有効性を検討し、ラクツロースと比較した。

【方法論】肝切除を施行した患者を3群に分けた。ラクツロース群(n=31)、16gのラクツロースを最初の術後1日3回経口投与した。大建中湯群(n=27)、5gの大建中湯を同じ方法で投与した。対照群(n=26)では、ラクツロースも大建中湯も投与されなかった。3群すべてにおいて、16gのラクツロースを術前3日間、1日3回投与した。

【結果】ICG-R15やガラクトース耐性試験など、年齢、性別および術前肝機能値の群間に有意差はなかった。また、肝実質切除率、手術時間および術中出血量に差はなかった。術後血清アンモニア濃度は対照群とラクツロース群より大建中湯群で有意に低かった。大建中湯群では、鼓腸の遅延および下痢の発生の例も少なかった。

【結論】大建中湯は、肝切除の術後管理において、ラクツロースよりも効果的かつ安全な薬剤となり得る。