Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

ヒト門脈血流に及ぼす大建中湯の影響

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【背景/目的】大建中湯は術後腸閉塞に用いられる漢方薬として知られている。しかしながら、門脈血流量に対する大建中湯の効果についての報告は存在しない。本研究の目的は、大建中湯の門脈血流への影響を明らかにすることである。

【方法論】健常ボランティア(健常;n=6)、肝硬変患者(肝硬変; n=7)および肝臓移植患者(LTx;n=3)に、大建中湯(2.5g)を温水100mLで大建中湯群に経口投与し、対照群には温水のみを投与した。超音波ドップラー法を用いて、投与後毎回門脈血流量(M-VEL:cm/秒)および門脈血流量(Flow volume:mL /分)さらに、動脈血圧および心拍数を同じ時点で測定した。

【結果】大建中湯群では対照群と比較して、投与後30分でM-VEL(120%)および流量(150%)の有意な増加が健常および肝硬変で観察された。LTxでは、投与30分後にも流量(128%)の有意な増加があった。しかし、すべての群で平均血圧および心拍数に変化はなかった。

【結論】大建中湯は経口投与後、血圧および心拍数を有意に変化させることなく、門脈血流量を早期に増加させる。