Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症における難治性胸痛は、柴陥湯で治療に成功した

doi.org

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、急性期にさまざまな痛みの症状を引き起こす。検査では異常がなくても急に激しい胸痛が起こり、鎮痛剤が効かないことがある。このような痛みは、リソースが限られている介護施設では臨床上の懸念事項であり、これはその治療に柴陥湯を使用した最初の報告である。宮城県では、軽症のCOVID-19患者は隔離施設として運営されているホテルに入院し、症状が観察された。この記事では、軽度から中等度の COVID-19 に併発する胸痛が、漢方薬である柴陥湯でうまく治療された4例を報告する。患者は胸の痛みを訴え、施設で診察を受けた。2例は、アセトアミノフェンに抵抗性の重度の胸痛を持っていた。重大な心肺疾患は全例で除外され、3例は胸部X線写真で肺炎の特徴を示した。柴陥湯を含む薬が患者に投与された。患者の胸の痛みやその他の症状は、柴陥湯の投与後1~4日で改善し、入院せずに施設を退所した。これらの患者が経験した胸の痛みの原因は不明だが、最小限の胸膜の炎症または神経障害である可能性があると推測している。これまでの薬理研究から、柴陥湯を構成する生薬の抗炎症作用や鎮痛作用が示唆された。この症例報告は、軽度から中等度のCOVID-19患者の鎮痛剤に難治性の胸痛に対する治療の選択肢として、柴陥湯が考えられることを示唆している。

PMID: 35598972 Impact Factor: 2.547