Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

レビー小体型認知症のレム睡眠行動障害に対する抑肝散加陳皮半夏の有効性に関する予備試験

doi.org

【背景】クロナゼパム(CNZP)は、レム睡眠行動障害(RBD)の患者の約90%に有効だが、レビー小体型認知症(DLB)に関連するRBDの治療に使用すると、過度の鎮静、筋肉の弛緩、および認知機能への悪影響のリスクがある。抑肝散加陳皮半夏(YKSCH)は、ベンゾジアゼピン(BZP)と同様に、入眠潜時を短縮し、睡眠ステージ2を増加させるが、過度の鎮静、筋肉の弛緩、認知機能への悪影響などの有害事象を引き起こ差ない。これらの薬理学的特性を考慮して、YKSCHはCNZPの代替品として可能性があるか研究された。

【方法】2017年にレビー小体型認知症コンソーシアム(CDLB)によって確立されたDLBの臨床診断基準に従ってDLBと診断された患者のうち、レム睡眠行動障害スクリーニング質問票はカットオフスコア(5ポイント)以上、とアトニーのないレムであると睡眠ポリグラフで証明された連続した13例を、Neuropsychiatric Inventory(NPI)夜間行動障害、視覚アナログスケール(VAS)頻度、およびVAS重症度を主要エンドポイントとして観察した。研究を完了した11例からのデータを統計的に解析した。

【結果】統計的に有意な改善が、NPI夜間行動障害、VAS頻度、およびVAS重症度で観察された。重篤な有害事象は報告されていない。

【結論】結果は、過度の鎮静、筋肉の弛緩、または認知機能への悪影響を引き起こさないYKSCHが、CNZPの代替としてDLBに関連するRBDの新しい治療オプションを提供する可能性があることを示した。

CiteScore: 4.3 Impact Factor: 3.365

PMID: 32923452 PMCID: PMC7456844