Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

進行膵臓癌患者における十全大補湯の投与による免疫学的パラメーターの変化

doi.org

【背景】さまざまな併用療法に関係なく、膵臓癌の予後は非常に不良である。腫瘍細胞に対する免疫増強は最近焦点となった。 Foxp3(+)CD25(+)CD4(+)制御性T細胞(Foxp3(+)Treg)の母集団は、宿主の免疫を推定するための新しいパラメーターであり、腫瘍の攻撃性と相関があったことを報告した。ここでは、Tregおよびその他の免疫学的パラメーターの調査とともに、免疫増強薬として経験的に考案された十全大補湯の免疫増強効果を示す。

【患者と方法】抗癌治療前14日間の十全大補湯投与後、進行性膵臓癌患者(n=30、TNM分類によるステージVI AおよびB)の末梢Foxp3(+)Treg集団、CD4/CD8比、およびCD57(+)細胞(NK細胞)集団が測定された。

【結果】Treg集団は、健康なドナーと比較して大幅に増加した(Mann-Whitney U検定、P<0.001)。十全大補湯の投与により、Treg集団が大幅に減少し(Mann-Whitney U検定、P<0.001)、CD57(+)細胞集団が有意に変化しなくてもCD4/CD8比が増加した(Mann-Whitney U検定、P<0.01)。

【結論】十全大補湯は、進行性膵臓癌患者のFoxp3(+)Treg集団を減少させることにより、T細胞の規制活動を増加させた。この効果は、さまざまな併用療法の免疫増強につながる可能性がある。

Impact Factor: 2.879 PMID: 23443635