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五苓散に最も反応する慢性硬膜下血腫タイプの同定:後ろ向き研究

DOI: 10.1016/j.jocn.2020.04.063

www.sciencedirect.com

慢性硬膜下血腫(CSDH)の術後再発率は3〜20%と報告されており、最適な治療戦略については議論の余地がある。近年、日本では術後CSDHの再発防止に五苓散が使用されている。そのため、この研究は、CT画像の自然経過と内部構造に基づいて術後CSDHの再発と再手術率への影響を評価することにより、五苓散が特定のCSDHタイプに対して有効かどうかを調査することを目的とした。この後ろ向き単一施設コホート研究は、東京都立広尾病院で実施された。包含/除外基準を適用した後、2013年1月から2018年12月までのCSDHのために入院した107例の患者(男性70例、女性37例、平均年齢77.1±10.9歳)のデータは五苓散群に含まれ、2007年1月から2012年12月までにCSDHを認められた122例(男性84例、女性38例、平均年齢73.9±13.3歳)の患者のデータは対照群に含まれた。これは、五苓散群で114の病変、14の再手術病変、対照群では108の病変、16の再手術病変に相当した。病変は均質型層形成型、鏡面形成型、または隔壁形成型に分類され、五苓散群の均質型の病変を有する患者は、対照群の病変と比較して再手術を受ける可能性が約50%低くなった(7.3%対14%;オッズ比= 0.51; 95%信頼区間= 0.12-2.11)。このように、均質型のCSDHは五苓散に最も反応したが、鏡面形成型は最も反応しなかった。したがって、CSDHタイプでCSDH再発を防止するための治療戦略を選択すると、再手術率の低下に寄与する可能性がある。

CiteScore: 1.63 Impact Factor: 1.593 PMID: 32336630