Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

進行性肺 Mycobacterium avium Complex 症の従来の治療に対する補助薬としての補中益気湯の予備的準無作為化比較試験

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【目的】日本では、体調不良の患者を治療するために漢方薬である補中益気湯が処方されることがある。私たちは、この薬が進行性肺 Mycobacterium avium Complex(MAC)症の患者に有益で忍容性があるかどうかを調べることを目的した。

【方法】この予備的非盲検準無作為化比較試験は、1年以上前に抗抗酸菌治療を開始したが、持続的に培養陽性または不耐性であった進行性肺MAC症の18例の患者を登録した。すべての患者は、24週間、補中益気湯を使用(n=9)または使用せず(n=9)に標準治療レジメンを継続した。

【結果】試験開始時の背景は、群間でほぼ同様だった。ほとんどの患者は高齢(中央値70歳)、女性、body mass indexが低く(<20 kg/㎡)、罹病期間は長期(中央値約8年間)だった。24週間の治療期間後、喀痰の除菌を達成した患者はいなかった。喀痰中のコロニー数は対照群で増加傾向にあったが、補中益気湯群では概ね安定していた。放射線疾患管理は、補中益気湯群で対照群よりも頻繁に観察された(8/9 対 3/9;p=0.05)。補中益気湯群の患者は、対照群に比べて体重および血清アルブミン値が上昇する傾向があった(体重変化中央値:+0.4kg vs. -0.8kg、アルブミン変化中央値:+0.2g/dl vs. ±0.0g/dl)。深刻な有害事象は発生しなかった。

【結論】補中益気湯は、進行性肺MAC疾患の患者に対する従来の治療法の効果的かつ実現可能な補助薬となり得る。この可能性を探るためには、今後の研究が必要である。

PMID: 25093868 PMCID: PMC4122490 臨床試験登録番号: UMIN000009920