Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

小児の肛門周囲膿瘍に対する漢方薬との併用療法

DOI: 10.1111/ped.13988www.ncbi.nlm.nih.gov

【背景】排膿散及湯と十全大補湯(TJ-122およびTJ-48;株式会社ツムラ、東京、日本)と呼ばれる2つの異なる漢方製剤との併用療法は、肛門周囲膿瘍(PA)に有効である可能性があるが、その有効性は確立されていない。本研究では、PAの最も効果的な保存的治療としての排膿散及湯および十全大補湯との併用療法の有効性を調査した。

【方法】2歳未満のPA患者69名を特定し、使用する処方に従って4つの群に分けた。1群、排膿散及湯(n=17);2群、十全大補湯(n=14);3群、排膿散及湯および十全大補湯(n=19);4群、漢方薬なし(n=19)。治療は、1および2群でPAが解消されてから3〜6か月間、3群で1年間続けられた。受診時の年齢、膿性分泌物の持続時間(PD)、外科的介入の頻度(切開および排液[ID] ;瘻孔切開 / 瘻孔切除術)、および再発率を統計的に解析した。

【結果】平均年齢(月)は、1、2、3、および4群でそれぞれ8.6±9.2、6.9±7.3、5.2±4.7、および3.8±3.1だった(P=ns)。平均PD(週)は、それぞれ2.5±2.2、7.1±10.8、2.0±0.0、2.7±1.0だった。PDの期間は、1および3群よりも2群で有意に長かった(P<0.05)。 ID手順の平均数は、それぞれ1.0±0.2、2.3±0.5、0、および1.6±0.2だった。1群は2群よりもIDが有意に少なかった(P<0.01)。再発率はそれぞれ6%、36%、0%、32%だった。1と3群は、2群よりも再発が有意に少なく(P<0.05)、3群は4群よりも再発が有意に少なかった(P<0.01)。

【結論】排膿散及湯および十全大補湯との併用療法は、この研究で再発および外科的介入をゼロに減少させ、小児のPAの治療に高い有効性を示した。

Impact Factor: 0.86