Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

補中益気湯または十全大補湯は股関節骨折術後の感染合併症を軽減しない

doi.org

【背景】股関節骨折手術後の感染性合併症は高齢者によく見られる。実験的研究により、漢方薬である補中益気湯および十全大体湯は感染性合併症を予防できることが示唆されているが、これまでに少数の小さな臨床研究しか発表されていない。

【主な研究目的】本研究の目的は、股関節骨折の手術を受けている患者の術後感染性合併症に対する補中益気湯または十全大補湯の影響を調査することである。

【方法と設計】日本の全国入院患者データベースを使用したこの後ろ向きコホート研究では、股関節骨折の手術後に漢方薬を服用した患者と服用しなかった患者を比較する傾向スコアマッチングを行なった。

【設定】全国の入院患者データベース。

【参加者】股関節骨折の手術後に漢方薬を投与されたまたは投与されなかった患者。

【介入】股関節骨折の手術後の漢方薬

【主な結果の測定】感染性の合併症。

【結果】術後感染性合併症の割合は、漢方薬を使用した場合と使用しない場合の傾向一致424ペア間で有意差はなかった(11対8、 P=0.644)。

【結論】本研究は、術中に補中益気湯または十全大法湯が股関節骨折の手術を受けた患者の感染性合併症の発生の減少と関連していないことを示唆している。

Impact Factor: 1.984 PMID: 29853976 PMCID:PMC5949155