Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

慢性閉塞性肺疾患患者における呼吸リハビリテーションと併用した補中益気湯の効果

doi.org

慢性閉塞性肺疾患COPD)には、運動能力、健康関連の生活の質(HRQOL)および生存率に影響を与える体重減少などの重要な全身への影響がある。漢方薬である補中益気湯は、COPD患者の栄養状態を改善し、全身性炎症を軽減する。しかし、現在までに、COPD患者の呼吸リハビリテーション(PR)に対する補中益気湯の相加効果は包括的に研究されていない。本研究の目的は、COPD患者のPRに補中益気湯を追加することの有効性と安全性を調査することだった。COPDの33例の栄養不良患者は、12週間にわたって補中益気湯治療あり(補中益気湯群)またはなし(対照群)と、低強度運動を受けるよう無作為に割り当てられた。主要評価項目は、6分間の歩行距離(6MWD)の変化とした。二次評価には、体組成の変化、末梢筋力、修正Medical Research Councilの呼吸困難スコア、呼吸困難の視覚アナログスケール(VAS)スコア、疲労のVASスコアおよびCOPD評価テスト(CAT)スコアが含まれる。12週間の治療後、補中益気湯群では体重と理想体重の割合が有意に増加したが(P<0.05)、対照群では増加しなかった。12週間の治療後、修正Medical Research Councilの呼吸困難スコア、呼吸困難のVASスコア、疲労のVASスコア、および総CATスコアは、補中益気湯群で有意に減少した(すべてP<0.05)。いずれの群でも、ベースラインと12週間の治療後との間で、6MWDと末梢筋力に有意差はなかった。補中益気湯を使用しても悪影響は認められなかった。PRへの補中益気湯の追加は、呼吸困難およびHRQOLに関してCOPDの栄養不良患者に利益をもたらす可能性があると結論付けられた。

Impact Factor: 1.448 PMID: 30542479 PMCID: PMC6257386