Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

不眠症の更年期女性において柴胡桂枝乾姜湯は血漿中のインターロイキン‐6および可溶性インターロイキン‐6受容体の濃度を調節し、抑うつ気分を改善する

DOI: 10.1142/S0192415X05003338

www.ncbi.nlm.nih.gov

本研究は、閉経前後の女性の抑うつ気分および血漿インターロイキン6(IL-6)と可溶性インターロイキン6受容体(sIL-6R)濃度に対する柴胡桂枝乾姜湯(漢方薬)と抗不安薬の効果を比較するために行った。DSM-IVに基づいて気分障害と診断された、不眠症を含む更年期症状を訴える90例を募集し、2群に分けた(柴胡桂枝乾姜湯群を証に基づいて42例、抗不安薬群を48例選択した)。そして、血漿IL-6およびsIL-6R濃度を治療前と3ヶ月後に測定した。2群間で治療後の更年期スコアおよびハミルトンうつ病評価尺度の減少に有意差はなかった。3ヶ月の治療後、血漿IL-6およびsIL-6R濃度は、抗不安薬群(それぞれ7.5±4.8%および2.4±3.8%)よりも柴胡桂枝乾姜湯群(それぞれ‐34.8±15.5%および‐22.4±14.6%)において有意に低かった。更年期スコアの減少率と血漿IL-6(R=0.498、P=0.0056)およびsIL-6R(R=0.512、P=0.0045)濃度との間の相関関係が観察された。柴胡桂枝乾姜湯は、治療中の抑うつ気分の改善に関連して血漿IL-6およびsIL-6R濃度を低下させた。この研究の知見は、閉経前後の女性において、柴胡桂枝乾姜湯がストレス反応の緩和によって罹患率を低下させる可能性があることを示唆している。

Impact Factor: 3.12