Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

健常者におけるオフロキサシンの生物学的利用能に対する漢方薬の効果欠如

 

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近年漢方薬OTC薬として利用できるようになり、また様々な慢性疾患の治療として西洋薬と共に処方されている。本研究ではオフロキサシン(OFLX)に対する小柴胡湯六君子湯並びに柴苓湯の生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)を検討するため、健常者7例を対象とした非盲検無作為交差試験を実施した。被検者にはOFLX(200mg)単独の単回投与並びに1週間の間隔をあけて各漢方薬を併用投与した。血漿並びに尿サンプルを、高速液体クロマトグラフィーを用いて解析した。OFLXの推定生物学的利用能パラメーターは2相間で有意差は認められなかった。OFLX単独投与後24時間以内に排泄されたOFLXの尿中回収は80.6± 3.9%(平均±SEM)であり、漢方薬併用投与後と有意差が見られなかった(小柴胡湯、79.7±5.1%; 六君子湯、76.8±2.3%; 柴苓湯、80.3±5.3%)ことから、4つの用量では全身有効性に差がないことを示唆している。これらの結果から、今回検討した漢方薬はOFLXのバイオアベイラビリティーの割合と程度に有意な影響を及ぼさないことを示している。