Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

慢性心不全患者の栄養失調に対する六君子湯の効果

DOI: 10.1002/tkm2.1313

www.semanticscholar.org

【目的】栄養失調は慢性心不全(CHF)患者の重要な予後因子だが、栄養失調に対する有効な治療法は確立されていない。六君子湯は、食欲不振の患者のために日常的に使用されてきた漢方薬である。しかし、六君子湯がCHF患者の体組成を改善できるかどうかを示すデータはない。この研究の目的は、CHF患者の栄養状態に対する六君子湯の効果を解明することである。

【方法】この単一施設遡及的観察研究には、六君子湯で治療されたCHFおよび食欲不振の14例が含まれた。体格指数(BMI)と除脂肪量指数(FFMI)、骨格筋量指数(SMI)、体脂肪量指数(FMI)を含む体組成を生体インピーダンス法で測定した。体組成は、ベースライン時と12週間後に測定された。主要評価項目は、BMI と体組成の変化とした。

【結果】BMIは23.7(20.0–26.1)kg/m2から24.2(20.3–27.3)kg/m2へ大幅に改善した(p=0.0494)。FFMIは13.7(11.3–14.9)kg/m2から14.2(12.0–15.7)kg/m2へ大幅に改善した(p=0.0002)。SMIも5.0(3.0–6.2)kg/m2から5.3(3.3–6.8)kg/m2に改善した(p=0.0085)。一方、FMIに有意な変化はなかった(9.4(7.2–12.0)kg/m2から10.3(7.9–12.0)kg/m2、p=0.8552)。

【結論】六君子湯は、CHF患者の栄養状態を改善するのに効果的だった。