Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

レンバチニブで治療された肝細胞癌患者における人参養栄湯の効果の遡及的評価

doi.org

【目的】レンバチニブ(LEN)は、切除不能肝細胞癌HCC)に使用される分子標的薬である。これは、高血圧、タンパク尿、倦怠感、食欲不振などの有害事象(AE)に関連しており、用量の減少または中止を余儀なくされる可能性がある。人参養栄湯は、倦怠感や食欲不振を効果的に治療できる漢方薬で、慢性肝疾患に使用されている。人参養栄湯は、ソラフェニブで治療された患者のAEを低下させ、肝機能を改善するが、LENに対するその効果は不明である。

【方法】本研究には、当院でHCCのLENを投与された46例(男性、n=32;女性、n=14)が登録された。年齢の中央値は70歳(範囲36-88歳)で、体重の中央値は61.5kg(範囲38.4-97.0kg)。患者は、人参養栄湯の投薬を受けたかどうかに応じて、2群に分けられた。それらのAEと肝機能を、LENを開始してから1か月後に調べた。

【結果】人参養栄湯群では非投与群と比較して倦怠感が少なく(63.6% 対 11.4%、P=0.0014)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼレベルの上昇(45.5% 対 14.3%、P=0.0433)を示した。非投与群では、ベースラインと比較して、アルブミン-ビリルビン(ALBI)グレード(P=0.0342)およびALBIスコア(平均変化:+ 0.232、P=0.0001)も、1か月で有意に悪化した。

【結論】人参養栄湯は明らかにLEN誘発性倦怠感を抑制し、HCC患者の肝機能を維持するのに役立った。

PMID: 34417867 Impact Factor: 2.549