Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

医療従事者における新型コロナウイルス感染症に対する補中益気湯と葛根湯の免疫学的及び予防的効果:後ろ向き観察研究

doi.org

2019年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な発生の中で、漢方薬などの低毒性の天然化合物がCOVID-19の予防効果をもたらすことが期待される。代表的な漢方薬である補中益気湯と葛根湯の生物学的特性と安全性は、さまざまな動物モデル実験、臨床研究、および重大な毒性なしにさまざまな感染症に生物学的効果を引き起こすいくつかのヒトの研究で確認されているが、補中益気湯と葛根湯がCOVID-19予防に安全で効果的かどうかは不明である。調査対象集団は、他の集団よりも感染のリスクが高い医療従事者が含まれた。COVID-19に対する補中益気湯および葛根湯の免疫学的および予防的効果を後ろ向きに調査した。北陸東海地方の病院や診療所から27例の医療従事者(21〜72歳、F:M = 18:9)を対象とした。医療従事者は、この期間の28日間、全身倦怠感と筋肉痛のために補中益気湯と葛根湯を投与された。電子カルテから患者の臨床データを取得した。関連する表面マーカーの発現に基づいて、残留検体からの処方の投与前後の免疫調節の変化を分析した。検体は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2に対する抗体の存在についても調べられた。次の副作用が報告された:5例で腹部不快感、2例で下痢、3例で軟便または軟便。 27例の医療従事者全員がCOVID-19抗体について陰性であった。補中益気湯および葛根湯の投与により、活性化受容体NKp46、NKp30、抑制化受容体NKG2Aを発現する循環リンパ球の絶対数が大幅に増加した。受容体TLR4、OX40、4–1BB、GITR、PD-1、およびICOSを発現する循環リンパ球の絶対数も大幅に増加した。これらのデータは、補中益気湯と葛根湯が循環するヒト免疫細胞のNK活性を増強および調節できることを示している。T細胞の活性化や調節などの免疫調節効果は、感染性免疫監視の推定上の改善と一致している。T細胞およびCD4/CD8陽性細胞の数の増加は、感染から防御する能力が強化されていることを示している。補中益気湯と葛根湯は、免疫調節効果を通じてCOVID-19の発症や悪化を防ぐ可能性がある。

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