Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

補中益気湯は、バンコマイシン耐性腸球菌の陰性化を促進する

doi.org

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、院内感染の主要な原因である。漢方薬は、腸の免疫を改善し、細菌感染を防ぐ。VRE 陽性患者の特性と漢方薬による治療に基づいて、臨床経過の潜在的な違いを評価した。この遡及的観察研究では、2018年8月から2019年7月に日本の三次医療病院で VRE 陽性患者からデータを収集した。122例の連続したVRE陽性入院患者のデータが分析された。69例がプロバイオティクスで治療され、そのうち18例はさらに漢方薬で治療された。122例のうち26例がその後死亡した。単変量分析では、その後のVRE陰性化により、VRE検出患者の死亡率が有意に低下した(p=0.0003)。プロバイオティクス(p=0.0065)とプロバイオティクスを含む漢方薬(p=0.0002)、特に補中益気湯(p=0.0014)の投与、および血清アルブミン値の上昇は、その後のVRE陰性化にプラスに寄与した。多変量解析により、漢方薬と体格指数が VREの陰性化に寄与することが示された。補中益気湯VREの陰性化にかかる時間を短縮した(p=0.0485)。VRE患者にプロバイオティクスに加えて、特に補中益気湯の投与は、VRE陰性化を促進する可能性がある。

PMID: 34050227 Impact Factor: 3.998