Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

肺がん患者の化学療法誘発性吃逆に対する芍薬甘草湯の効果

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【目的】東アジア諸国で一般的に使用されている伝統薬の1つである芍薬甘草湯は、筋肉のけいれんに効果があることが知られている。この後ろ向き研究は、化学療法誘発性メトクロプラミド制御不能吃逆に対する芍薬甘草湯の効果を評価することを目的とした。

【材料と方法】2013年9月から2017年11月に当院で化学療法誘発性吃逆のために芍薬甘草湯(株式会社ツムラ)を処方されたすべての連続した肺癌患者の医療記録を遡及的に調査した。芍薬甘草湯の開始から次の化学療法の開始まで、芍薬甘草湯の処方後に「吃逆の完全または部分的消失」の記載があった場合、それは完全または部分的反応と判断された。「変更なし」の記述、改善の説明なし、または悪化は、変化なしと判断した。

【結果】肺がん患者15例を対象とした49の化学療法コースのうち、93.9%が芍薬甘草湯の投与後数時間以内に「部分的または完全な」反応を示した。芍薬甘草湯の効果は、肺がんの病理学的タイプ、プラチナ含有または非プラチナ化学療法、および他の抗吃逆薬の有無に関係なく観察された。有害事象は観察されなかった。

【結論】芍薬甘草湯は、化学療法によって誘発された、メトクロプラミドで制御されていない吃逆を治療するための効果的な薬理学的アプローチを提供する可能性がある。よく計画された前向き研究であれば、私たちの結果を確認することができだろう。

CiteScore: 1.8 PMID: 33716521 PMCID: PMC7929594