Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

めまいや易刺激性のある患者に対する抑肝散の有効性

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【目的】易刺激性は、めまいを引き起こしたり悪化させたりする感情的なストレス症状である。 抗うつ薬は、易刺激性を伴ういくつかの状態に役立つ場合がある。ただし、易刺激性を完全に阻害するわけではない。抑肝散は、神経症不眠症、小児の癇症や夜泣きに使用されてきた。この研究では、慢性のめまいと易刺激性のある患者の眼振における抑肝散の有効性を調査した。

【方法】慢性のめまいと易刺激性を伴う22例を後方視野的にレビューした。患者は2群に分けられた:対照患者(治療0-7日)と抑肝散治療を受けた患者(抑肝散症例;治療7日以降)。抑肝散治療前および治療中(対照患者の期間後)のめまいは、眼振強度を5段階で評価した。平均スコアは、治療前および治療中または治療後の最大6か月以内に計算した。正規化されたスコアも計算した。最適な治療レジメンは、receiver operating characteristicROC)曲線分析を介して計算した。

【結果】対照患者は6例(1例、5例;平均年齢:59.5歳)。抑肝散症例は16例(男性3例、女性13例;平均年齢:61.8歳)。群内平均眼振強度スコアは、抑肝散症例では1.18から0.73に有意に減少したが、対照症例では変化しなかった。治療中の正規化された眼振強度スコアの郡内平均は、抑肝散症例で0.73だった。ROC曲線分析の結果は、抑肝散治療の最適なカットオフ期間が10日であることを示した。

【結論】10日以上の抑肝散経口投与が最適だった。抑肝散による治療は、めまいの治療に適した選択肢となる可能性がある。

PMID: 33526322 CiteScore: 2.5 Impact Factor: 1.436