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漢方薬の代替医療からの脱出

進行性再発卵巣癌の化学療法中の骨髄抑制、特に血小板減少症に対する加味帰脾湯の有効性と安全性

DOI: 10.1002/tkm2.1087

www.semanticscholar.org

【目的】この研究の目的は、がん化学療法中の骨髄抑制、特に血小板減少症に対する加味帰脾湯の有効性と安全性を評価することとした。

【方法】この遡及的予備的研究では、化学療法中にグレード3以上の血小板減少症を発症した進行性卵巣癌の9例において、加味帰脾湯治療の前後のヘモグロビン(Hb)と好中球および血小板(Plt)の変化を調査した(加味帰脾湯使用前後のそれぞれ13および16サイクル)。

【結果】最下点のHbは有意に変化しなかったが、それぞれの化学療法サイクル中のHb(ベースライン–最下点)の変化の程度(加味帰脾湯使用前vs後:1.8 vs 1.0µg/dL)は、加味帰脾湯使用後に有意に軽減された。最下点の好中球数および好中球数の変化の程度は、加味帰脾湯の使用によっては変わらなかった。最下点のPltカウントは、加味帰脾湯使用後は有意に高く(前、2.9×104/μL;後、3.4×104/μL)、Pltカウントの変化の度合いは、加味帰脾湯使用後に有意に軽減された(前、12.7×104/μ;後、10.9×104/μL)。最後に、最下点からグレード2以下のPltカウントの減少までPltが回復するのに必要な日数は、加味帰脾湯使用後、有意に減少した(前、9.3日;後、5.8日)。

【結論】進行性の再発性卵巣癌の化学療法を受けている患者では、加味帰脾湯は貧血と血小板減少症を緩和し、輸血を必要とするリスクを減らすことができる。より大きなサンプルサイズでの将来的な前向き研究は、さらなるデータを蓄積するために必要である。