Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

腹腔外アプローチによる後腹膜リンパ節郭清後の下腹部リンパ浮腫に対する五苓散を基本とした漢方療法の有効性に関する実現可能性研究

DOI: 10.1111/jog.12721

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

【目的】子宮内膜癌または子宮頸癌の外科的治療後の下腹部リンパ浮腫に対する五苓散を基本とした漢方療法の有効性と安全性を評価すること。

【方法】子宮内膜癌と子宮頸癌に対して、後腹膜リンパ節郭清を含む根治手術を実施した。手術後、下腹部リンパ浮腫、特に陰部陰門外陰部に影響を与えるリンパ浮腫の患者に対して、五苓散ベースの漢方療法と統合理学療法が行われた。五苓散(7.5g/日)は1日3回(tds)経口投与された。有意な反応が認められなかった場合は、柴苓湯(9g/日;3g tds)または牛車腎気丸(7.5g/日;2.5g tds)を併用した。

【結果】合計21例が治療を受けた。五苓散単剤療法に対する反応率は78%で、22%が反応しなかった。腹囲の中央値の減少は2.1cm(95%CI:1.3-2.85)だった。五苓散と他の漢方方剤を併用した場合の奏効率は92%、無反応は8%だった。腹囲の減少の中央値は2.85cm(95%CI:2.25-3.3)だった。特に、五苓散と柴苓湯の併用療法は満足のいく結果を達成した。重篤な副作用は発生しなかった。

【結論】五苓散を基本とした漢方療法は、後腹膜リンパ節郭清後の下腹部リンパ浮腫に対して効果的かつ安全かもしれない。近い将来、前向き比較研究を実施する。

Impact Factor: 1.392