Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

かぜの憎悪抑制効果に関する代表的な総合感冒薬に対する葛根湯の非優越性:無作為化比較試験

doi.org

【目的】葛根湯は、かぜの治療に医師の処方だけでなく、セルフメディケーションにもよく使われている。本研究は、厳選された西洋の総合感冒薬と比較して、病初期に服用すると、葛根湯がかぜの症状の悪化を防ぐかどうかを調べることを目的とした。
【方法】この研究は、多施設共同の実薬対照無作為化試験とした。18〜65歳の成人で、かぜの症状を感じ、症状が発現してから48時間以内に15か所の外来医療施設を訪れた。参加者は無作為に2群に割り当てられた:最長4日間にわたり、1群は葛根湯(葛根湯エキス-A、6g/日)で治療(n=209)され、もう1群は西洋の総合感冒薬(パブロンゴールド-A、3.6g/日)で治療(n=198)された。この試験の主な結果は、中等度または重度と評価され、試験開始後5日以内に少なくとも2日間続く、風邪、鼻、喉、または気管支の症状の悪化だった。
【結果】410例の登録者のうち、340例(葛根湯群で168例、パブロン群で172例)が解析に含まれた。かぜが悪化した参加者の割合は、葛根湯群で22.6%、パブロン群で25.0%だった(p=0.66)。かぜの症状の全体的な重症度は、群間で有意差はなかった。どちらの群でも有害な副作用は発生しなかった。
【結論】葛根湯は、病気の初期段階で処方された場合でも、かぜの症状の進行を有意に防ぐことはできなかった。

PMID: 24785885