半夏厚朴湯は上腕-足首脈波伝播速度を低下させる

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我々は上腕-足首脈波伝播速度（brachial-ankle pulse wave velocity : baPWV）を用いて半夏厚朴湯の効果を検討した。2002年7月から2006年4月に北里研究所東洋医学総合研究所漢方外来を受診し、1年間以上半夏厚朴湯が処方され、最低3回以上baPWV を測定した21例の患者を対象に後ろ向き研究を行い、八味地黄丸が処方された16例と比較検討した。半夏厚朴湯内服群では服用6ヵ月後に血圧や上腕-足関節血圧比などのパラメーターが変化せずにbaPWVの有意な低下を認めた。一方、八味地黄丸内服群では有意なbaPWVの変化を認めなかった。半夏厚朴湯は器質的な変化ではなく、自律神経系に関連した潜在的な血管の緊張を緩和するなど機能的な血管壁の変化をもたらす作用がある可能性が示唆された。