Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

十全大補湯と化学療法の併用は術後非小細胞肺癌の再発患者の予後を改善する

doi.org

漢方薬は、化学療法誘発性の有害事象を軽減するために使用されてきた。しかし、漢方薬ががんの予後を改善できるかどうかはまだ不明である。本研究は、非小細胞肺癌の術後再発患者に対する十全大補湯の効果を明らかにすることを目的とした。合計で、初回の化学療法が予定されている術後再発非小細胞肺癌患者45例が本研究に登録された。十全大補湯を併用した化学療法群と化学療法のみの群の間の無増悪生存期間の違いを分析した。体重の変化と予後の栄養指数も評価して、これらの因子が十全大補湯投与によって影響を受けるかどうかを調べた。独立した予後因子を検出するために、多変量解析が行われた。化学療法単独群と比較して、化学療法プラス十全大補湯群では無増悪生存期間に有意な増加が観察された(P<0.001)。化学療法単独群で体重および予後栄養指標スコアの有意な減少が観察された(それぞれP<0.01およびP<0.05)。ただし、これらの減少は化学療法プラス十全大補湯群では観察されなかった。多変量解析により、化学療法を伴う十全大補湯投与が独立した予後因子であることが明らかになった。結論として、化学療法と十全大補湯の組み合わせは、栄養障害を予防することにより、非小細胞肺癌の術後再発患者の無増悪生存期間を改善する可能性がある。

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