Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

補中益気湯のインフルエンザワクチン接種後の抗体価への影響なし:無作為化プラセボ対照二重盲検試験

DOI: 10.1016/j.phymed.2006.02.002www.sciencedirect.com

【背景】動物実験で、補中益気湯がインフルエンザ予防接種にアジュバント効果を持つことが示された。しかし、これは臨床試験では評価できなかった。

【方法】32例の健康な被験者が、二重盲検法でランダムに2群(対照と補中益気湯群)に割り当てられた。補中益気湯被験者(n=17)は、7.5g /日の補中益気湯を2週間服用した。対照被験者は同じ量の区別がつかないプラセボを服用した。その後、被験者はインフルエンザ(H1N1、H3N2、B /山東)に対する予防接種を受けた。血球凝集素力価とナチュラルキラー(NK)活性は、0、1、2、4、および12週目に測定された。

【結果】3種類のウイルスに対する抗インフルエンザ力価は、最初の2週間は継続的に増加し、横ばい状態となった。ただし、2群間で力価に有意差はなかった。NK活動は2週目にピークに達し、群間の違いはなかった。

【結論】この試験的な条件では、補中益気湯アジュバント効果は見出せなかった。

CiteScore: 4.09 Impact Factor: 4.18 PMID: 16644196