Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

無症候性MRSA尿症に対する補中益気湯の効果

DOI: 10.1007/s10156-002-0211-9www.ncbi.nlm.nih.gov

10生薬(黄耆、蒼朮、人参、当帰、柴胡、大棗、陳皮、甘草、升麻、生姜)を含む漢方製剤である補中益気湯が、無症候性メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)尿症の患者38例に投与され、その効果が評価された。患者は、補中益気湯を1日量7.5g を少なくとも24週間服用した。尿培養に加えて、予後栄養指標(PNI)として末梢血中のアルブミンとリンパ球を測定した。結果は、無症候性MRSA細菌尿症の未治療対照患者12名と比較された。補中益気湯で治療された38例の患者のうち4例は、治療期間中に抗菌薬を投与され、研究から除外された。補中益気湯で治療を受けた34例の患者のうち、尿中MRSAは12例で根絶され、尿培養での細菌数は10例で10(2) CFU/ml 以下に減少した。補中益気湯で治療した患者では、対照患者の所見と比較して、治療後10週間から尿中細菌数が減少した(P <0.05)。PNIは、治療前のベースラインと比較してすべての患者で改善した。補中益気湯投与によ​​る栄養改善により生体防御機能が回復し、MRSA菌尿が改善したと考えられた。今後、さらに調査が必要である。

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