Exodus of Kampo

漢方薬の代替医療からの脱出

六君子湯は、シスプラチンを基本とする化学療法で治療された食道がん患者の食物摂取と血漿アシル化グレリンレベルを増加させる

doi.org

【背景】シスプラチン(CDDP)は、しばしば吐き気と嘔吐を誘発する食道癌の治療に重要な化学療法薬である。漢方薬である六君子湯は、化学療法誘発性の吐き気と嘔吐(CINV)と食欲不振を緩和できる食欲促進性消化器ホルモンである血漿グレリンのレベルを高めることができる。

【方法】この前向き無作為化交差研究には、CDDPを基本とする化学療法を施行された食道がん患者20例が含まれていた。それらの10名例はA群に割り当てられた[第1コース:1-14日目に六君子湯 7.5 g /日。第2コース:六君子湯なし(対照群)]および10例がB群に割り当てられた[第1コース:六君子湯なし(対照群); 第2コース:22〜35日目に六君子湯 7.5 g /日]。食物摂取と血漿アシル化グレリン(AG)のレベルは、対照群と六君子湯群間で比較された。

【結果】1例では腎機能が悪化し、別の患者では脳内出血が起こったために化学療法が直ちに中止されたため、18例のデータがこの分析に含まれた。4日目と6日目の間に食物摂取量が減少した中央値は、六君子湯ありの方が六君子湯なしの場合よりもかなり低かった(2% 対 30%、P=0.02)。 AGの中央値レベルは、六君子湯ありおよびなしの両群の患者で3日目から8日目に有意に増加した(9.6から15.7 fmol / mL、P<0.0001;対照、10.2から17.8、P=0.0002)。血漿AGレベルの中央値が3日目から8日目まで増加する割合は、六君子湯群の方が対照群よりも高い傾向がある(68% 対 48%、P=0.08)。

【結論】六君子湯は、CDDP誘発性の遅発性食欲不振を改善し、催吐性の高い化学療法(HEC)を受ける食道がん患者の血漿AGレベルを上昇させることができる。

Impact Factor: 2.027 PMID: 31372284 PMCID: PMC6626826