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漢方薬の代替医療からの脱出

肥満、代謝性エンドトキシン血症、腸内毒素症に対するプロバイオティクスと漢方薬の併用効果:無作為化二重盲検比較試験

DOI: 10.1016/j.clnu.2013.12.006

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【背景と目的】プロバイオティクスは、腸内細菌叢の組成のバランスを維持するのに役立ち、肥満の潜在的な治療法と考えられてきた。この研究は、肥満の治療において漢方薬と組み合わせた場合のプロバイオティクスの効果を評価するために実施された。プロバイオティクスは、腸内細菌叢、腸透過性、および内毒素レベルを調節する能力についてテストされた。これは、肥満に関与する因子と相関がある可能性がある。

【方法】無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施し、BMI(>25kg/㎡)および腹囲(>85cm)の高い患者を登録し、8週間の間、防風通聖散とプロバイオティクスカプセルまたはプラセボカプセルのいずれかを投与するよう無作為に割り当てた。体組成パラメーター、代謝バイオマーカー、エンドトキシンレベル、腸透過性、および糞便中の糞便細菌の評価は、ベースラインおよび8週目に実施された。この研究は、韓国国立衛生研究所によって承認された臨床研究情報サービスに登録された(KCT0000386)。

【結果】両方のグループで体重と胴囲の有意な減少が示されたが(p=0.000)、体組成と代謝マーカーの有意な差は観察されなかった。相関分析において、体組成の変化はエンドトキシンレベル(体重では r=0.441、p<0.05;脂肪量では r=0.350、p<0.05)および腸内乳酸菌叢(体重では r=0.425、p<0.05;BMIでは r=0.407、p<0.05)と正の相関を示した。腸内のグラム陰性細菌叢も、体組成(WC)および総コレステロール値の変化と正の相関関係を示した(前者および後者のパラメーターでそれぞれ r=0.359 および 0.393、両方で p<0.05)。一方、腸内Bifidobacterium breve叢のプロファイルは、エンドトキシンレベルと負の相関を示した(r= -0.350、p<0.05)。

【結論】腸内細菌叢と体組成の変化との相関は、プロバイオティクスが肥満のエネルギー代謝に影響を与える可能性があることを示している。エンドトキシンレベルと体重減少の相関は、プロバイオティクスが、肥満に関連する腸内細菌叢の異常を引き起こす可能性があるエンドトキシン産生の防止に重要な役割を果たしている可能性があることを示している。

Impact Factor: 6.402 PMID: 24411490