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漢方薬の代替医療からの脱出

抗精神病薬投与中の錐体外路症状に対する芍薬甘草湯の効果:無作為化非盲検試験

DOI: 10.1097/JCP.0000000000000312

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

錐体外路症状(EPS)は、抗精神病薬治療の一般的な副作用である。本試験では、抗精神病薬投与中の錐体外路症状に対する芍薬甘草湯の効果を検討した。抗精神病薬治療中に錐体外路症状が悪化した精神疾患患者22名を、芍薬甘草湯(7.5g/日)投与群、もしくはビペリデン(3mg/日)投与群に無作為に割り付けた。錐体外路症状は薬剤性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)とアカシジア評価尺度を用いて評価した。芍薬甘草湯の作用機序の評価には、モノアミンの代謝産物であるホモバニリン酸の血漿値と血清プロラクチン値を測定した。患者22例のうち20例が試験を完遂した(芍薬甘草湯投与群で10例とビペリデン投与群で10例)。芍薬甘草湯とビペリデンの両方が錐体外路症状を緩和したことを示す、DIEPSSでの時間的な効果があった。特に芍薬甘草湯はビペリデンと比べて、ジストニアに対してさらに効果があることを示す、ジストニアの時間と薬物作用の関係が見られた。それぞれの群において、治療2週間後の血漿モノアミン代謝産物ホモバニリン酸または血清プロラクチン値に有意な変化は見られなかった。異常な筋緊張とドパミンD2受容体に対する芍薬甘草湯の作用が、錐体外路症状を改善した可能性がある。これらの結果は、抗精神病薬で治療中の患者において、芍薬甘草湯は錐体外路症状の緩和、特にジストニアで有用かもしれないことを示唆している。

Impact Factor: 3.134