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漢方薬の代替医療からの脱出

肥満高血圧症に対する防風通聖散の効果:多施設、無作為化、並行群間比較試験

DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.atherosclerosis.2015.01.025

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【目的】東洋医学と西洋医学の併用治療である統合医療の、肥満関連高血圧に対する有益性を支持する臨床的エビデンスは未だ報告されていない。本研究では、肥満を伴う高血圧患者の外来時血圧(BP)の変化に対する漢方薬である防風通聖散の有効性を検討したものである。

【方法】本試験デザインは、肥満を伴う高血圧患者107例に対する、多施設、無作為、非盲検、並行群間比較試験である。対象患者は、無作為に従来治療群と防風通聖散追加投与群に分けた。両群とも、目標とする外来時血圧に到達させるための降圧治療を実施した。主要評価項目は、試験開始から24週後までの外来時血圧の変化である。

【結果】外来時血圧変化の重要なパラメーターであるが、日中収縮期血圧防風通聖散群で減少を示し、従来治療群と比較し有意な日中収縮期血圧の変動性を認めた(試験開始時からの日中収縮血圧の平均的変化は、従来治療群と防風通聖散群で、各々1.0±3.3と-1.0±3.3%、p=0.006)。

【結論】防風通聖散追加投与により外来時血圧の改善に効果があった。本研究は、統合医療が従来治療に比較し、肥満関連高血圧に対し有用性を発揮し得ることを示唆する最初の報告である。

Impact Factor: 4.255 PMID: 25818388 臨床試験登録番号: UMIN000003878